女性が昇進に後ろ向きな本当の理由って?ジェンダー・バイアスを再考する

女性が昇進に後ろ向きな本当の理由って?ジェンダー・バイアスを再考する

女性が昇進に後ろ向きな本当の理由って?ジェンダー・バイアスを再考する

フリーライターの小林なつめです。

以前、別の記事「男性も女性も苦しめる…男性へのジェンダー・バイアスって、どんなもの?」で、ジェンダーを考える上で基本となる概念「ジェンダー・バイアス」を紹介した。
その記事では主に男性へのバイアスを中心に述べたが、今回はジェンダー・バイアスと女性のキャリアの関係について考えてみたい。

ジェンダー・バイアスの悪影響については「あなたの能力発揮を邪魔しているのは、自分自身かも?!ステレオタイプ脅威の影響とは」でもふれた。
ステレオタイプ脅威とは、人が自分の所属する社会や組織のステレオタイプ(偏見)を意識して、本来の実力が発揮できなくなる現象をいう。

例えば学生時代の
「女子は理系科目が苦手」
「女子は無理に進学する必要はない」

社会人になってからの
「女性が仕事で大きな野望を持つのは、みっともない」
「上に立つ立場の管理職に、女性はふさわしくない」

などという偏見は、今も根強く残っている。

このように世の中に蔓延するジェンダー・バイアスは、女性たちの能力や魅力を封じ込めてしまう。
それは、男性なら持っていて当たり前、むしろ持つべきだという風潮すらある(それはそれで問題なのだが…)、将来への希望や野心を女性たちから奪う。

女性の多くは幼い頃からジェンダー・バイアスに晒され、自由に羽ばたくための翼を折られてしまっているのだ。

 

その結果、男性と同じように働くことが求められる現代においても、女性は昇進や役職に就くのをためらう傾向にある。
その理由として、女性は男性よりも家庭で家事育児、あるいは介護を担うケア要員とされやすいという現実も見過ごせない。

しかしそれ以前に、女性本人が抱いている、キャリアアップへの恐れや忌避感を忘れてはならない。

 

このような意識を持ってしまうのは、その女性自身の怠け心や、向上心の低さによるものではない場合がほとんどだ。
そのことに本人はもちろん、周囲の人間も気づいていなことも、日本で「女性の活躍」が進まない大きな原因となっているのではないだろうか。

まずは女性自身に、キャリアアップに後ろ向きになってしまう自分を受け入れてほしい

それは自分の中に巣食っている、根強いジェンダー・バイアスや、女性にばかり負荷がかかる性別役割分業が原因なのであって、自らの怠惰のせいではないのだ。

女性というマイノリティに厳しい現代社会で、女性が昇進に前向きになれないのは当然だ。
自分を責める必要はない
まず現にそこにあるジェンダーにまつわる問題について知り、「自分のせいじゃない」ことに気がついてほしい。

それを認めて初めて、自分のキャリアや生き方と向き合えるのではないだろうか。

 

【参考サイト】
男も女も気づいていない、女が昇進やキャリアアップをためらう本当の理由5つ | PRESIDENT WOMAN Online(プレジデント ウーマン オンライン) | “女性リーダーをつくる”

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