「専業主婦」は、もはや絶滅寸前!?これからを生きる若い女性の考え方とは

「専業主婦」は、もはや絶滅寸前!?これからを生きる若い女性の考え方とは

「専業主婦」は、もはや絶滅寸前!?これからを生きる若い女性の考え方とは

 

フリーライターの小林なつめです。

 

専業主婦は、今や絶滅しかけているのかもしれない。少なくとも私の周りに、まったく働いておらず、家事や育児だけを担っている女性はいない。パートなどで働きつつ、家事育児の大部分を担う「兼業主婦」ならいるけれど、完全に働いていない「専業主婦」はいない。

さらに、今後、専業主婦はますます減っていくだろう。それは、専業主婦志望の若い女性が減ってきているからだ。

キャリタスリサーチが2023年春に、大学・大学院を卒業する学生を対象に行った「キャリアプラン・ライフプランに関する調査(2023年3月)」によると、専業主婦志望の女子学生は今やたった7%だった。

「専業主婦」は、もはや絶滅寸前!?これからを生きる若い女性の考え方とは
出典:キャリタスリサーチ「キャリアプラン・ライフプランに関する調査(2023年3月)

 

また、「家庭を持ちたくない」と答えた女子学生の割合は15%。家庭を持ちたいと回答した中でも、「子どもを持ちたい」と答えた女子学生の割合は51.1%と過半数に留まり、「子どもを持ちたくない」と答えた女子学生の割合は、20.8%に上った。

「専業主婦」は、もはや絶滅寸前!?これからを生きる若い女性の考え方とは
出典:キャリタスリサーチ「キャリアプラン・ライフプランに関する調査(2023年3月)

 

「子どもを持ちたくない」と答えた男子学生は10.1%と、女子学生の半分だ。この結果からも、女性にかかる、出産や育児の負担の重さが透けて見える。

女子学生は、たとえ共働きでも、子どもを持つと、自分にばかり負担がかかること、それにより、思い通りのキャリア形成や生き方ができない将来を、見越しているのではないだろうか。

 

さらに興味深いのが、女子学生が子どもを持った場合、「夫に育休を取得してほしいかどうか」と尋ねた際の結果だ。

「夫に育休を取得してほしい」と答えた割合は、2017年には35.6%しかいなかったのに、2023年では61.3%と大きく増加している。

 

男性の育児参加について、社会全体の意識が変わってきている、確かな証左といえるだろう。

「専業主婦」は、もはや絶滅寸前!?これからを生きる若い女性の考え方とは
出典:キャリタスリサーチ「キャリアプラン・ライフプランに関する調査(2023年3月)

 

これらの結果から、結婚や子を持つことを希望している現代の若い女性は、「夫と共に働き、共に子育てがしたい」と考えているのが分かる。

そして、彼女たちの未来は明るい。今どきの「父親」たちが、これから家庭を築き、子を持つかもしれない若い男性の通る道を、必死の思いで開拓してくれているからだ。

以前にも「【育児×キャリア シリーズ】産後クライシスを乗り越えろ!育休なしで産後の妻をサポートする方法 (4)」などの記事でふれたが、私が長子を産んだ5年前から比べると、育児する男性を見かける機会は格段に増えた。今や、保育園の送迎や公園、病院の付き添いなどで、父親の姿を見かけるのはごく当たり前の風景となっている。

例えば私は、小児科の控室で、5組中3組の親子が、父子の組み合わせという場面に遭遇したことがある。それも平日の昼間だ。おそらく共働き夫婦で夫が仕事を休み、来院していたのではないだろうか。

さらに先日、市が行う「1歳半検診」に参加したところ、これまた平日昼間にもかかわらず、4人もの父親が付き添いをしていて驚いた(しかもそのうち1組は、2人の子連れだった)。ちなみに、2年前に「3歳児検診」に参加したときには、父親の姿は1人も見かけなかった。

それもそのはず。検診への付き添いは、難易度がかなり高い。子どもの成長や発達の具合、日々の様子を的確かつ詳細に把握している必要があるからだ。普段、「お手伝い」レベルでしか育児をしていない場合には、対応しきれないだろう。

このように「自分ごと」として、主体的に育児をしている父親は、どんどん増えてきている。社会は確実に変わってきているのだ。

 

最近では、芸人の「あばれる君」が子育て中の父親を演じた、サントリーのウェブCM「無言の父たち」が、子育て当事者の共感を呼び、話題となった。父親たちが育児をする、等身大の姿が描かれており、好感の持てるCMだ。

このCMを見て、私は「父親が育児をすることは、特別じゃなくなってきているんだな」と、頼もしい、どこか誇らしいような気持ちになった。

また、CM内で、母親の働き方に言及されていないことも、好ましいと思った。彼女が働いていても、専業主婦だとしても構わないという姿勢が感じ取れたからだ。

 

専業主婦としての生き方も、それを本人や周囲が望むのであれば、選択肢の1つとなる。そして、たとえ母親が専業主婦であったとしても、育児は夫婦で行うべきだ。

専業主婦という生き方を含め、これからの家族の在り方は、ますます変わっていくだろう。それはきっと良い方向への変化、進化に違いないと、期待は高まるばかりだ。

 

【参考URL】
卒業直前に聞いた「キャリアプラン・ライフプランに関する調査」|株式会社ディスコ キャリタスリサーチ
女性にとって結婚はリスク要因である…新卒女子「子どもを持ちたくない2割」「家庭を持ちたくない15%」の衝撃 専業主婦希望は7%と初めて1割を割る…半端ではない危機意識 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)
「無言の父たち」篇 あばれる君夫婦 パパあるある ザ・プレミアム・モルツ CM動画
■ 子育てパパの「あるある」CMに共感の嵐、父親たちの“沈黙の壁”はなぜ生まれるのか? | 井の中の宴 武藤弘樹 | ダイヤモンド・オンライン
育児経験者で制作、父親あるあるを描いたプレミアム・モルツのWebCM | AdverTimes.(アドタイ) by 宣伝会議
あばれる君が演じる『子育て中の父』に、共感の嵐 「全部あるある」「めっちゃ面白い」 – grape [グレイプ]

女性活躍カテゴリの最新記事