フリーライターの小林なつめです。
私は、移動中の車内では、ラジオを聴いていることが多い。なんの気なしに聴いているのだが、それでも気が付いてしまうのは、テレビの司会と同じように、ラジオのパーソナリティも、「40~60代のベテラン男性×20代の女性」という組み合わせの番組が多いということだ。
ある日いつものように、パーソナリティが「中年男性×若い女性」の番組を聴いていた。そのうち、女性パーソナリティの口数が極端に少ないと気づいた。喋り方もどこかぎこちない。
と考えていたら、男性パーソナリティがその女性パーソナリティは、AIだと紹介した。
私は思わずフリーズしてしまった。
…など、さまざまな考えが頭の中を駆け巡り、怖気を震った。
そもそもテレビの司会やラジオパーソナリティで、異様に多い「中年男性×若い女性」という組み合わせはどうなのか。あからさまに、男性が主、女性が従という構図になっている。
最近はテレビCMやドラマのキャスティングでも、同じような構図をよく目にする。実年齢40〜50代の男性と20代の女性が、カップルや夫婦を演じているものが増えているように思う。
もちろん現実にも年の差カップルや夫婦はいる。それでも、20〜30の年の差があるカップルや夫婦は、割合としてかなり少ない。これも、高齢男性に若い女性をあてがう、「ヨイショ案件」なのではないか。あたかも「女性の価値は若さだけ」と言っているかのようだ。
このように、男女の役割や価値が固定化されている番組を、子どもたちは見聞きして成長していく。「それが当たり前なのだ」「女性は男性のサブに過ぎない」と刷り込まれながら。
テレビやラジオのようなメディアは、老若男女さまざまな人の目に触れるのだから、他分野よりもジェンダーに配慮すべきだと思う。
男女の役割を固定するような、時代遅れなキャスティングは見直すべきだ。AI登用についても、ジェンダー的視線から再考してほしい。
【参考サイト】
◆「世界の51%は女性なのだから」 チリで再選を果たした女性大統領バチェレ氏が語る、女性の政治参加の意義|ウートピ