【育児×キャリア シリーズ】最新!ランドセルのジェンダーレス事情~息子のランドセル選びから

【育児×キャリア シリーズ】最新!ランドセルのジェンダーレス事情~息子のランドセル選びから

【育児×キャリア シリーズ】最新!ランドセルのジェンダーレス事情~息子のランドセル選びから|リアンブルーコーチング舎

フリーライターの小林なつめです。

 

息子の欲しいランドセルは「水色」!水色は女の子の色?

 来年、我が家の長男が小学校に入学する。私と夫は「よーしラン活だ!」というほどの情熱はなく、夏か秋くらいには、ランドセルを買おうかと考えていた。

私は元々「相場の価格帯なら、息子に自由に選ばせよう」と考えていた。以前、彼に欲しいランドセルの色を聞いたときには「黒」と言っていたし、特に問題ないはずだ。

でも、子どもの言うことは、短期間でコロコロ変わる。まずは本人の今の意向を聞いてみようと、「何色のランドセルがいい?」と聞いてみた。すると「青!うーん、やっぱり水色!」という答えが返ってきた。

水色…少しイヤな予感がした。なぜなら、ピンクや水色、パープルのようなパステルカラーは、女の子に人気のある色だからだ。

【育児×キャリア シリーズ】息子に「ピンクがいい」と言われたら…あなたは背中を押せますか?」で、息子がピンクのメガネがいいと言ったとき、そのメガネには、明らかに「女の子向け」のハート柄があしらわれていた。ランドセルでも、同じような傾向があるのではないだろうか。

そこで、水色のランドセルについて調べてみた。すると、やはり水色などのパステルカラーのランドセルは、「女の子向け」デザインのものが多いと書かれている記事を見つけた。
◆水色のランドセルが欲しい!息子のラン活に大苦戦|CHANTO WEB

2020年、つまり今から3年前に息子さんのラン活をされた方の記事だ。この方は、大手専門メーカー数社に問い合わせもしたが、「パステルカラーの男の子向けランドセルはほぼ見当たらなかった」という結論に達している。

唯一、ジェンダーへの配慮を感じたのは、工房系のランドセルで人気の、土屋鞄製造所のみだったという。私は近くのショッピングモールでサクッと買おうと考えていたので、ハードルの高さを覚えてしまった。

 

3年前とは一転!ジェンダーレスなランドセルが増えていた

後日、別の用事でイオンモールに出かけたので、ランドセル売り場を覗いてみた。

するとそこには、シンプルなデザインの、色とりどりのランドセルがズラリと並んでいた。もちろん、息子の希望する水色など、パステルカラーのランドセルや、定番の赤や黒のランドセルもあり、全て同じデザインで統一されている。

記事にあった3年前とは異なる状況に、「あれ?」と思わず拍子抜けした。

そのランドセルは、イオンのかるすぽシリーズの「はなまるランドセル24」という商品。2023年の全面的なリニューアルで、男女問わないジェンダーレスなデザインで、さまざまなカラーリングを展開するようになったそうだ。

◆かるがる背おえてすっぽり入る「かるすぽ」ランドセルに“軽量モデル”が登場! 3/5(金)より順次「イオンのランドセル2022」予約開始|イオン株式会社のプレスリリース

売り場を見ていると、大手のセイバン・天使の羽シリーズにも、男女問わず使えるデザインのランドセルがあるようだった。

◆モデルロイヤル クラシック|女の子に人気のランドセル|ランドセル【天使のはね】セイバン

セイバンといえば、2023年の初めに、ランドセルにまつわる動画で話題になっていた。「キミが好きなの、キミが選ぼう」という、同社のキャッチコピーをテーマにした、ランドセル選びのドキュメンタリー動画だ。

 


動画内で特に注目を集めたのは、全面に女の子向きのデザインが施された、ピンクのランドセルを選んだ男の子。

息子がピンクのランドセルを選ぶのを見ていた彼の父親は、少し戸惑うような表情を見せていたものの、子どもに対しては笑顔で優しく「すごい、すごい」「似合ってるよ」と声をかけている。

 

「男の子向き」「女の子向き」の縛りが窮屈

ところで、我が家の息子は結局、売り場で見た男の子デザインのランドセルをとても気に入って、「色が何でもこれがいい」と、青いランドセルを選んだ。最後には水色には見向きもせず…色よりもデザイン重視だったらしい。

それでも私は「水色がいいなら、かるすぽにしてもらえばいいや」と思うと、かなり気が楽だった。やはり「女の子向き」のランドセルを6年間使わせるのには、周りの視線に対する不安が大きいからだ。

これから、小学校という、「小さな社会」の中で生きていく子どもたち。大きくなるにつれ、ますます、世間体やジェンダーバイアスとは無関係ではいられなくなっていくだろう。

だからこそ親としては、今このときの子どもの価値観や、主体性を尊重してあげたいという気持ちがある。今時は「男の子でも水色やピンクが好きなら、その色のランドセルを買ってあげたい」という考える親がほとんどだろう。

それでも私のように、「周りがどう思うか」「からかわれたり、いじめられたりするんじゃないか」と思うと、踏み出せないパターンは多いはずだ。

パステルカラーはともかく、女の子向きのデザインが施されたランドセルだと、「女の子のもの」感があまりにも強い。高価な買い物で、買い替えもできないので、購入にためらう親心も理解できる。

 

「ジェンダーレスなランドセル」という選択肢が欲しい

既出の動画にもあったように、子どもが本当に欲しいランドセルと、親が子どもに選んでほしいランドセルは違うことが多いだろう。

そんなとき、「ジェンダーレスなランドセル」という選択肢があったら、子どもと親が歩み寄るきっかけになるのではないだろうか。

これからのランドセルは「男の子向き」「女の子向き」というよりも、さまざまなデザインやカラーリングのある中から、子どもたちが選べるラインナップになるといいなと思う。例えば、前述したイオンのかるすぽシリーズの「はなまるランドセル24」では、オプションとして、好きなデザインを追加することもできる。

つまり、水色のランドセルでも、いわゆる「男の子向け」のデザインを追加できるし、色は黒でも「女の子向け」のデザインの追加もできるのだ。

ランドセルのラインナップから男女の枠を取っ払えば、親は安心して、子どもたちは今よりもっと自由に、ランドセル選びを楽しめるのではないだろうか。

 

【参考URL】

水色のランドセルが欲しい!息子のラン活に大苦戦|CHANTO WEB
かるがる背おえてすっぽり入る「かるすぽ」ランドセルに“軽量モデル”が登場! 3/5(金)より順次「イオンのランドセル2022」予約開始 | イオン株式会社のプレスリリース
モデルロイヤル クラシック|女の子に人気のランドセル|ランドセル【天使のはね】セイバン
”泣いた!” SNSで反響のセイバンWEB動画 | セイバンのプレスリリース | 共同通信PRワイヤー
ランドセルもジェンダーレス化が加速!保護者の8割が「性別による色の固定観念は必要ない」|@DIME アットダイム

ジェンダーってカテゴリの最新記事