「ジェンダー平等」行政部門の全国1位は2年連続で鳥取県庁!男女共同参画で組織・地域を変える

「ジェンダー平等」行政部門の全国1位は2年連続で鳥取県庁!男女共同参画で組織・地域を変える

 

「ジェンダー平等」行政部門の全国1位は2年連続で鳥取県庁!男女共同参画で組織・地域を変える|リアンブルーコーチング舎

フリーライターの小林なつめです。

47都道府県それぞれの男女のジェンダー格差を可視化するために算出された「都道府県版ジェンダーギャップ指数」。

2022年、2023年と行政部門で1位を飾ったのは、意外にも、全国で最も人口の少ない鳥取県だった。

鳥取県では2023年度、県職員の管理職のうち、22.7%を女性が占めた。これは全国で最も高い割合だ。男性育休の取得率は44.3%と、こちらも全国で最も高い。

こうした結果について、鳥取県の人事企画課は「個人の能力と経験に応じて、素直に登用してきた結果」だと話している。

また、約30年前から鳥取県の行政に携わってきた元知事、現総務大臣の片山善博氏による、男女共同参画の取り組みの功績も大きい。

片山氏は1992年、総務省から鳥取県に出向し、総務部長となった。それまでは国際交流の仕事をしており、女性と共に働いていたため、着任してすぐに、管理職に男性しかいないことに違和感を抱いたそうだ。

当時、鳥取県に女性職員は全体の3割ほど。どの部署でも、庶務しか担わせていなかったという。それでは当然、将来管理職に就けるほどの経験を、積むことはできない。

そこで片山氏は、それまで女性の担っていなかった業務や、配置されていなかった部署に、積極的に女性を登用するようにして、男女の偏りがなくなるような組織づくりに取り組んだ。

この取り組みにより、男女共に経験や実績が積みやすくなり、女性の管理職登用数が増えたのだ。

また、鳥取県では、管理職全員に「イクボス・ファミボス宣言」を実施し、取り組み状況を人事評価に反映させている。

「イクボス・ファミボス」とは、子育てや介護をしながらも、働き続けられる職場環境を目指して、部下の家庭と仕事の両立をサポートする、リーダーのことだ。

イクボス・ファミボスの取り組みで、妊娠や出産、育休を機に退職する女性職員が減り、育休を取得する男性職員が増えたという。

鳥取県の事例から分かるのは、組織の仕組みや在り方を変えると、組織の雰囲気が変わり、それまでは当たり前だった常識さえ変わるという事実だ。

 

最初から、組織の雰囲気や常識を変えるのは、そう簡単なことではない。しかし、まずはシステマティックに、規則や仕組みの変革から始めると、組織を根本から変えられるのかもしれない。

 

【参考URL】
「ジェンダー平等」全国1位は、2年連続でまさかの鳥取県庁 秘密は元知事が30年前に始めた“種まき”にあった | 47NEWS
「ジェンダー・ギャップ指数」鳥取「行政」男女格差最小で1位|NHK 鳥取県のニュース
あなたの地域のジェンダー平等は?都道府県版ジェンダー・ギャップ指数
鳥取県性にかかわりなく 誰もが共同参画できる 社会づくり計画 概要版
イクボス・ファミボスとは…/とりネット/鳥取県公式サイト

 

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