「食い尽くし系」と子ども優先の「滅私奉子的」育児【育児×キャリア シリーズ】

「食い尽くし系」と子ども優先の「滅私奉子的」育児【育児×キャリア シリーズ】

「食い尽くし系」と子ども優先の「滅私奉子的」育児【育児×キャリア シリーズ】

 

フリーライターの小林なつめです。

 

「食い尽くし系」とは?どうして男性に多いのか

この頃SNSで「食い尽くし系」男性についてのポストをよく見かける。「食い尽くし系」とは、一緒に食事している家族に配慮せず、好きなように好きなものを好きなだけ食べてしまう人のことで、特に成人男性に多いようだ。

中には、棚に仕舞ってある食材やお菓子なども、自分1人で食べ尽くしてしまう人もいるらしい。

先日話題になっていたのは、食事中に子どもの世話をしていた妻のおかずを、食事中の夫が先に食べ尽くし、妻が泣いてしまったというポストだった。

なぜ男性に「食い尽くし系」が多いのか、その確かな原因は分からない。でも男性という性別ゆえに「周りを気にかけずに、気の赴くままに振る舞うことを、女性より許される場面が多かった」弊害なのではないかと思う。

そう考えると、本来、この行為自体には性差は生まれないはずだ。女性でも、生まれ育った家庭などで、このような振る舞いを許されれば、立派な「食い尽くし系」に育つだろう。

しかし、日本では女性に「気配り上手でなければならない」「周りに気をかけなければいけない」という強いバイアスがあるので、結果として「食い尽くし系」として育った成人のほとんどが男性なのではないだろうか。

 

親が子を最優先すること

このポストに対して、「親が子に食べ物を優先すること」について、エッセイ漫画をアップした方がいた。

 

この方の夫はいつも、子どもたちと食べ物を取りあっていて、この方は「親なのに、いつまでもお子様気分の夫に呆れている」のだという。

このポストからも読み取れるように、現代の育児は「親は子どもを最優先するのが当然」という風潮が強い。私もそうやって育ったし、わが家も例外ではない。特にうちの夫は、子どもを優先しようとするあまり、自分の寝食をないがしろにする傾向すらある。

夫は家で食事をするとき、一度も席につかないままということがよくある。食事は私が用意しているのに、せわしなくシンクの片付けものなどをしながら、キッチンで立ったままかっこむのだ。

私にはそれがあまりにも滅私奉「子」的過ぎて、そうまでしなくても子どもとの食事は成立するのに(食事にかける時間は長くなるけれど、隣で介助しながら食べることはできる)、なぜそこまでするのかと、疑問に思っている。

 

子どもとの関係の築き方と「食い尽くし系」

なぜなら私は、親子といっても、子どもと一対一の人間同士の関係を築きたいと考えているからだ。

親も家族の一員なのだから、親自身の意思や希望を伝えあい、話しあって、お互いの希望を尊重しあってもよいのではないだろうか。私の感覚では、幼児期を過ぎたら、十分その段階に入れるのではないかと思う。

親をはじめとする大人たちにも、それぞれに意思や希望、感情、考え方があるのだと、場面場面で伝えていきたい。そうすれば、子どもを「食い尽くし系」にしてしまう可能性も下げられるのではないか。

いうまでもないが、これはあくまでも言葉で伝えるだけで、子どもの物を奪ったり、奪おうとしたりするのは論外だ。ただ「親は何でも自分の言うことを聞いてくれるし、何でもさせておけばいい」と思わせ過ぎるのは、考えものだと思うのだ。

ちなみに、食事のときに席にすらつかない夫は、2歳になる下の子に「ちゃん、ちゃん!」と、「席について食べて!」と、食育的指導を受けており、最近では席に着いて食事する場面が増えてきている。(笑)

 

 

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