【育児×キャリア シリーズ】収入の差が生む夫婦間格差(2)「仕事減らせば?」という言葉から見えてくるもの

【育児×キャリア シリーズ】収入の差が生む夫婦間格差(2)「仕事減らせば?」という言葉から見えてくるもの

「仕事減らせば?」という言葉から見えてくるもの

フリーライターの小林なつめです。

前記事「収入の差が生む夫婦間格差(1)「仕事減らせば?」夫の言葉に大激怒!」では、夫の何気ない言葉に、私が激怒するまでのいきさつを書いた。今回はなぜ私がそんなにも怒りを感じたのか、その原因を探りたいと思う。

 

仕事は簡単には減らせない

夫の「大変なら仕事減らしたら?」という言葉に他意はなかったのだろう。ただ、その言葉に私への配慮は全くなかった。そもそも私が、フリーランスが仕事を減らすというのはどういうことか、夫はまるでわかっていない。

私には複数のクライアントがいる。それぞれの発注に応じて契約を結び、納期までに決まった本数の成果物を納品する。それが私の仕事だ。仕事を減らすとなると、それなりの理由を用意して、各クライアントにお願いしなくてはならない。

私が過去に仕事を断ったのは一度だけ。妊娠中の体調不良で体重が2カ月で10㎏減り、入院が決まった時だけだ。このレベルでなければ、私は仕事を断るつもりがない。つまり、自分の意志でない限り、仕事を減らすつもりはないのだ。

フリーランスがこちらの希望で一度減らした仕事は、簡単には取り戻せない。仕事だけならまだいい。それよりも大切なのが信用だ。それまでコツコツと培ってきた信用を失ってしまうリスクがある。そうすれば関係は簡単に途絶えてしまう。「相手に切り捨てられればそれまで」それがフリーランスの実態だ。だから簡単に仕事を減らせるわけがない。

 

夫に「仕事を軽視されていた」という絶望

夫はここまで考えず、私の仕事を減らす提案をしてきたのだろう。もし考えていれば、こんな言葉はとても口にできなかったはずだ。無責任で不用意な発言だったし、私は「馬鹿にされた」と感じ、悔しかった。夫の発言は、「私の仕事を軽視し、下に見ている」証拠だったからだ。夫は私の仕事を尊重してくれていない。

その後すぐ私は夫に、自分の考えや希望を話した。そのうち子どもたちの通園も再開し、この時の修羅場は幕を閉じた。

 

収入の多い方が偉いのか?

今、この出来事を振り返って思うのは、「私と同じような思いをしている女性が、この社会にはたくさんいるんだろうな」ということだ。

現代の日本社会で、子どもを産み育てながら働くことは簡単ではない。「男は仕事」という価値観がいまだ根強い日本では、仕事が忙しい夫をフォローするために、妻が家事育児の主体となる家庭が大半だ。そうなると本人の意に添わずとも、妻側が仕事をセーブせざるを得ない。すると結果的に、妻は夫よりも収入が低くなってしまうケースが多い。

「収入」は単なる「労働の報酬」だ。それ以上でも以下でもない。でも数値化されているために明確で、比較しやすい。反対に、家事育児は「どれだけやったか」、「どんな風にやったか」が見えづらく、評価もしにくい。

結果、夫と妻を並べた時に、「収入の多い方が偉い」とする考えが生まれる。悲しいかな、この価値観は現代でも通用し、無償のケア要員にされがちな女性たちの地位を下げ続けている。

 

収入で人の価値は決まらない

もちろん仕事をして生計を立てることは大切だ。でも「家事や育児にも、労働と同じだけの家価値がある」。夫婦ともに正しい認識がなければ、夫婦間格差ができ、夫婦関係に歪みが出てしまうだろう。「収入の多い方が偉い」という認識は、時にDVやモラハラを生む危険性すらはらんでいる。

もしこれを読んでいるあなたが、時短やパート勤務、あるいは専業主婦(夫)で、パートナーより収入が少ないとしても、それでいい。自分のやれべき仕事を自分なりにやっていれば、それでいいのだ。収入の低さに劣等感を抱く必要はない。

収入の額面の比較で、あなたが担う役割の価値は決められない。もし夫やほかの人に自分の役割が軽視されていると感じたら、あなたには怒る権利がある。私やあなたが怒りを隠さずにいることが、世の中の価値観を少しずつ変えていくきっかけになるかもしれない。

パーソナルコーチングについてもっと知りたい|リアンブルーコーチング舎
研修についてもっと知りたい|リアンブルーコーチング舎

育児×キャリア シリーズカテゴリの最新記事