こんにちは。多賀です。
今回は、【本レビュー】仕事も人生も自分らしく イマドキ女性管理職の働き方(その1)
からの続き。
この本を読んで、初めて知った先人たちの理論や考察が、私のそれまで持っていた不安や、疑問をバラバラと落としてくれた。
まずは、1978年に心理学者のポーリン・R・クランスとスザンヌ・A・アイムスに
よって命名された「インポスター症候群」
発達心理学者のスーザン・ピンカーの描いた、その名前もズバリの著書『なぜ女は昇進を拒むのか』(早川書房)には、女性が陥りやすい「インポスター症候群」という現象が紹介されています。「impostor」とは「詐欺師」「ペテン師」「なりすました人」という意味です。これは女性は成功したとしても、その業績は偽物にすぎず、ただ自分は幸運だっただけで、どれだけ世間に認められても自分は「まがいもの」だと思うこと、自分の業績を信頼せず、優秀なフリをして周囲を欺いているような気がするという女性特有の心理状態を指します。
「仕事も人生も自分らしく イマドキ女性管理職の働き方」麓幸子 著
自分は「まがいもの」なのでいつか化けの皮が剝がされる、いつか自分の無能がばれてしまうので、昇進を打診されても断るということも書かれています。
「仕事も人生も自分らしく イマドキ女性管理職の働き方」麓幸子 著
麓さんご自身も、
「まさに、私もそうだったので、この言葉は深く胸に刺さりました」
と書いている。
そして、私の胸にも深く刺さりました。グサグサグサグサ ぐらい刺さって、中に溜まっていた不安がどんどん流れ出てきた。
私だけじゃなく、ほとんどの人が、インポスター症候群なんだ。
麓さんでさえも。ああよかったー。と。
成功しても「男性は実力と考え、女性は運だと考える」とピンカーは書きます。自己評価には確かに性差が存在しています。
「仕事も人生も自分らしく イマドキ女性管理職の働き方」麓幸子 著
ふむふむ、なるほどなるほど。確かにそんな場面はたくさん目にしてきたし、
今でも会う女性管理職や取締役のほとんどは「運がよかった」とまず言う。
そのたびに「それをインポスター症候群っていうんですよ」と伝えるだけで、
彼女たちの不安は一つ減る。遠慮なく、無理なく強みを出し続けられる。
これを知らないだけで、いつまでたっても不安を感じ続け、もっとやらなきゃ、
もっと頑張らなきゃと、ガチガチに武装し、ギリギリと自分や周りに厳しくなり、
疲弊しきってしまう、または投げやりになる。そういう女性もたくさん知っている。
とてももったない。
こんな風に、知識を得るだけで、安心するのはとてもおもしろいし、刺激される。
他にも、
・ハーバード大学ビジネススクール教授のR・M・カンターの名著
「企業の中の男と女」(生産性出版)に書かれている「トークン」
・スイスのビジネススクールIMD教授のギンガ・トーゲル氏の著書
「女性が管理職になったら読む本 ―「キャリア」と「自分らしさ」を両立させる方法」(日本経済新聞出版社)
など、麓さんの著書により食わず嫌いが幻想だったことに気づき、次々と気軽に手に取り、読み進めることができた。
折を見て、それぞの本にも触れていきたいと思う。