女性の敵は女性?それとも男性?「女王蜂症候群(クインビーシンドローム)」の犠牲者とは

女性の敵は女性?それとも男性?「女王蜂症候群(クインビーシンドローム)」の犠牲者とは

女性の敵は女性?それとも男性?「女王蜂症候群(クインビーシンドローム)」の犠牲者とは

フリーライターの小林なつめです。

 

「女の敵は女」とは古くより使われてきた常套句だが、「女性同士の連帯(シスターフッド)」が注目されるここ数年では、もはやナンセンスなワードとして見なされる向きがある。
実際この言葉は女性自身が発するよりも、男性が「これだから女は…」というニュアンスで発するようなイメージが強くないだろうか。

 

ネットニュースの記事(女性専用車両は臭くて汚い? 利用者が明かす実態「あぶらとり紙が散乱している」|Jタウンネット)を元に、複数の情報番組が「女性専用車両の実態」として、女性専用車両における女性のモラル低下を取り上げ、話題になったのは2020年1月のことだ。

その具体的な内容は「女性専用車両は香水臭い」「あぶらとり紙が散乱している」「女性同士のマウント合戦が繰り広げられている」など、真偽も定かでないもので、ネット上で女性たちに痛烈に批判され、炎上した。

本来、女性専用車両は深刻な痴漢被害の対策を目的として設けられている。
しかし、その問題はスルーして専用車両の意義を問う、本末転倒な指摘やバッシングは、これまでも幾度となく繰り返されてきた。その指摘のほとんどが、男性目線によるものだ。

 

ここに1つの気づきがある。
それは「女の敵は女」という言葉は、男性中心の社会構造においてリスクを被る女性たちに対し、問題そのものを矮小化させ、本質に気付かせないための便利なツールなのではないかというものだ。

女性たちは男性主体の社会や組織で生き延びるために、女性同士で対立せざるを得ない場面に度々遭遇してきた。
その弊害の1つが、男社会において自力で華やかなキャリアを切り開いてきたエリート女性が、女性の部下や後輩に厳しく接してしまう「女王蜂症候群(クインビーシンドローム)」。

彼女たちはタフな精神と肉体、そして不断の努力によって、仕事も家庭も築き上げてきた、いわばスーパーウーマン。
役職につき上司の立場になると「私にできたことは部下にもできる」という論理で、自分の頑張りを部下にも押し付けてしまう傾向にある。

 

しかし現代において、女性の考え方や働き方は多岐に及んでいる。もちろん残業を厭わずバリバリ働きたい女性もいるが、仕事はほどほど、家庭優先という考えの女性も多い。
上司と部下の働き方の理想が異なる場合、部下の女性はエリート上司と仕事をすることにプレッシャーを覚えてしまうだろう。

「女王蜂症候群(クインビーシンドローム)」の女性たちは、男社会や組織の犠牲者と言えないだろうか。

かつては「女性」という足枷があるゆえに、「男性並み」、いや、それ以上に必死で働かなくては、望みのキャリアを手に入れられなかった。

もし、彼女たちがもっと多様性のある社会や組織に属していれば、そのような「男性顔負け」の努力は必要なく、部下を苦しめる必要もなかったかもしれない。

 

【参考サイト】
なぜ日本社会は“女の敵は女”と根拠なき対立を煽りたがるのか
「女性専用車両」に批判的な番組をTBSでも⇒若林有子アナは「私は懐疑的」と異論
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