植田寿乃さんのいう「企業戦士ガンダム女子」が開いてくれた道

植田寿乃さんのいう「企業戦士ガンダム女子」が開いてくれた道

2021年からさかのぼること40年。1980年代の初めは、働く女性たちにとって非常に厳しい時代だった。そもそも女性に職業選択の自由はなく、長く続けられる仕事といえば教師や看護師くらい。運よく一般企業に就職できたとしても事務職が中心、お茶くみや掃除を押し付けられ、結婚したら寿退社が当たり前の世の中だ。

 

こんな社会に新しい風を吹き込んだのが、1986年に施行された「男女雇用機会均等法」だ。この法律によって初めて、募集・採用や配置・昇進、退職・解雇等について性別で差別することが禁止された。現代からすると考えられない話だが、当時は「男性のみ」の求人募集が普通に行われており、女性には応募する権利すら与えられないことが多かったのだ。

 

男女雇用機会均等法の施行後、日本はバブル時代に突入。好景気に乗って女性の社会進出はさらに進んだが、男性と同じように働き、昇進するには身を粉にして働く必要があった。男社会を生き抜くには自分らしさを捨て、分厚い鎧をまとわなければならなかったのだ。

 

鎧を着た女性
男社会を生き抜くには自分らしさを捨て、分厚い鎧をまとわなければならなかった

もちろん結婚や出産、育児と仕事の両立は、現代よりもさらに難しい。結婚や妊娠は出世街道からのリタイアと同義だった。人生をキャリアや企業に捧げるためには、結婚や出産をしないという道を選ばざるを得ない。当然日々の精神的な葛藤やストレスは重く、体を壊してしまう女性も少なくなかった。

 

生活の中心に仕事を据えてがむしゃらに働き、仕事では成功している。でも部下の気持ちが酌めずに自分と同じレベルの要求を厳しく押し付けてしまう。そのため距離を置かれたり、チーム全体の士気を下げてしまったり…男性と変わらない働き方を目指すと、時に仕事がうまく進まないという弊害が生じた。さらに、後からついていこうとする女性たちにとってはとても厳しく「あんな風にはなりたくない」と、逆にリーダーを目指す女性を減らすことにもなった。

 

そんな女性たちを、キャリアコンサルタントの植田寿乃さんは「企業戦士ガンダム女子」と表現した。(日本貿易会 月報 2009年7・8月合併号、)(企業戦士 ガンダム女達
まさに的を得た表現だと、たびたび植田さんのお名前とともに使わせて頂いている。

 

「ガンダム女子」の彼女たちが肩ひじを張って、男社会でキャリアを追ってくれたからこそ、後進の女性たちの能力も認められるようになった。その功績は素晴らしいものだ。

 

一方で、女性のキャリア実現の方法は今や多岐にわたり、それは必ずしも男性と同じかそれ以上の働き方を目指すことではない。女性リーダーだからこそ、広げられる働き方があり、多様なリーダー像を創り出せるのだ。

 

かつての「企業戦士ガンダム女子」たちが、必死になって広げてくれた女性のキャリアの可能性は、次世代に向けて花開きつつあるのだ。

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