フリーライターの小林なつめです。
以前、「女性「ならでは」の感性、能力って?〜(以下略)」という記事を書いた。この記事を書くにあたって、色々と調べていて目についたのが、女性について表現する「しなやか」という言葉だ。「しなやか」というと、男性ではなく女性を思い浮かべる人がほとんどではないだろうか。大辞泉によると、「しなやか」の意味は以下の通りだ。
しな-やか
1 弾力があってよくしなうさま。
2 動きやようすがなめらかで柔らかなさま。
3 姿態などがなよなよして上品なさま。たおやかなさま。
人を指して使うのは2か3だろう。ちなみに「たおやか」というのは、以下のように載っていた。
たお-やか
1 姿・形がほっそりとして動きがしなやかなさま。
2 態度や性質がしとやかで上品なさま。
たおやかの1は人の外見、2は内面を表している。どちらの意味も、いかにも女性「らしい」、女性として好ましいと言われる人物像だ。
本題に戻って、この女性を表すしなやかという表現について、当の女性たちはどう感じているのだろうか?
正直私はあまりしっくりきていない。誰かに与えられた、誰かにとって都合のいい女性像を表しているように感じるからだ。
女性が主体ではなく、ほかに主たる存在がいて、女性に「しなやかであれ」と誘導している印象。女性はあくまでもそれに追従するというか、忖度するようなイメージだ。
私はしなやかでいるよりも、主体的に強くありたい。私は現代に生きる女性の1人に過ぎないが、世の女性たちにも、同じように感じている人が多いのではないかと思う。
少し古いが、2017年に20〜30代の女性を対象として行われた「憧れの女性像に関する調査」によると、目指したい女性像の1位は「前向きな女性」、2位は「ぶれない女性」、3位は「自信がある女性」だった。さらに「ぶれない女性」を選んだ理由として、半数近い女性が「強くなりたいから」と回答している。
「しなやか」の表す「なよなよ、しとやか、上品」な姿とは異なる、芯のある強い女性像が目に浮かぶ。これからを生きる現代女性に支持されるのは、やはり「しなやかよりしたたか」な女性ではないだろうか。
「したたか」は漢字で書くと「強か」だ。大辞泉には、以下のような意味が並ぶ。
したた-か
1 粘り強くて、他からの圧力になかなか屈しないさま。しぶといさま。
2 強く、しっかりしているさま。
3 強く勇猛であるさま。
時折したたかという言葉が、「ずる賢い」「計算高い」という意味で使われているのを目にするが、実はそれは誤用だ。実際には、「したたか」は、まっすぐ、力強く突き進むような強さを意味する。
私は女性という性別に生まれついたが、時に自分の意志を曲げながら「しなやか」さを求められる生き方にはしんどさを覚える。それならば、いっそ「したたか」に生きたい。
多様化の進む現代社会では、自由に生き方を選べるが、自由には責任が伴う。この時代で自由を謳歌するには、自分の足で立ち、軸を確立する「したたかさ」こそが、必要なのではないだろうか。
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【参考URL】
「2017年 憧れの女性像に関する調査」を発表 目指したい女性像は「前向き」「ぶれない」「自信がある」女性基本を見直し、強くなりたい女性多数!?
「しなやかな女性リーダー」という言葉こそが女性の活躍を阻んでいる(高田 朝子) | 現代ビジネス | 講談社
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