こんにちは。多賀です。
「ライフステージが変わっても、ビジネスパーソンとして成長し続けたい」「機会があれば役職にも就いてみたい」
そう願う女性の気持ちにブレーキをかける要素があるとしたら、「私の実力でどこまでできるかな?」「リーダーとしてちゃんとやっていけるのかな?」という、漠然とした不安ではなかろうか。
過去に大きな失敗体験があった訳でもないのに、なぜかどこからともなく湧き出てくる不安。たとえば結婚や出産を経験した女性は、それ以前と同じようにバリバリ働くことができるのか不安を感じるのは、ある意味当たり前なのかもしれない。
でも、ライフステージの変化によってキャリアを諦めなければならない風潮は、もはや終わりを迎えているし、むしろ結婚しても女性が働くことを希望する男性の声は大きくなっている気もする。ということは、それ以上に女性のキャリア構築を阻む何かがあるかもしれない。
それは人それぞれだけれど、一般的に考えられる要因としては、以前も触れた「インポスター症候群」だったり、「リーダーとはこうであるべき」という長い時間をかけてすり込まれた固定観念だったりするだろう。
そもそも既存のリーダー論は、あくまでも男性基準で構築されてきたものである。以前の本レビューでラドマン教授の研究結果を取り上げたが、従来リーダーに必要とされていた特性とは、「男性には望み女性には望まない特性」だった。
つまり、女性リーダーがいくら背伸びをしたところで、男性リーダーと同様の成果を得るのは難しいということ。女性がうまく立ち回れず、伸び悩む社会の構図ができあがるのも無理はない。
あの人みたいになろう、立ち回りを再現しようという姿勢は、素直であり健気でもあるけれど、一方で自己犠牲的な思考であり、そのリーダー像と自分が乖離するほどに自信を失うし、未来の可能性を潰してしまうことになりかねない。
でも、リーダーとして活躍するキャリアを諦めないでほしい。
現代で求められるリーダー像とは「変革型リーダー」であり、それは女性ならではの特性が生かせるリーダーシップ論なのだ。
Eaglyらの研究によって、男性よりも女性の方が変革型リーダーシップの資質を持ち合わせていることが、すでに証明されている。(参照:組織リーダーの望ましさとジェンダー・バイアスの関係― 男女別、階層別のジェンダー・バイアスを探る)
従来のいわゆるリーダーシップ論とは「交換型リーダーシップ」と言い、成功には報酬を、失敗には懲罰を与える、いわば「飴と鞭作戦」でメンバーを引き上げる手法だった。
対する「変革型リーダーシップ」とは、メンバーの感情面に揺さぶりをかけて、価値観そのものに変化を与える手法で、「信頼」「モチベーション」「刺激」「コーチング」といった4つの資質が重視される。
つまり現代を生きる女性たちは、従来のリーダーシップ論に自らを当て込み、男性リーダーの背中を見ては「あの人のようにはなれない」と自信を失う必要はない。
もっとナチュラルに、のびのびと自由な発想で、自分なりのリーダーになって良いのだ。
「仕事が好き。いつかは人を率いるリーダーの立場として、新しい景色が見たい」
その想いを諦めないでほしい。現代に生きる女性たちは、もっと自由に、もっとワクワクとした気持ちで、自分のキャリアを描き挑戦していこう。
あなたの特性を使って、あなたらしく、描いたビジョンを実現しよう。
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