「とるだけ育休」を防ぐには?|データを読み解いて有意義な男性育休を!

「とるだけ育休」を防ぐには?|データを読み解いて有意義な男性育休を!

「とるだけ育休」を防ぐには?|データを読み解いて有意義な男性育休を!

フリーライターの小林なつめです。

 

私はこれまで何度も「男性育休」について記事を書いてきました。それは、男性育休が広まり、一般的になれば、男性の家事・育児参加も当たり前のものとなると思っていたからです。

そうすれば女性のワンオペは減り、夫婦の関係性が良くなり、健全な家庭で、子どもたちが幸福に育まれるのではないかと期待していました。

数字の面だけ見ると、男性育休の取得率自体は、ここ数年で大きく伸びています。

グラフを見て分かるように、令和4年度17%⇒令和5年度30%⇒令和6年度40.5%と…もはや男性の半数が育休を取得しそうな勢いです。

 

「とるだけ育休」を防ぐには?|データを読み解いて有意義な男性育休を!

出典:厚生労働省「令和6年度雇用均等基本調査

 

しかし、男性育休の実態がどうかというと、令和2(2020)年に「とるだけ育休」という言葉が生まれ、広く知られるようになるなど、どちらかというとネガティブな印象寄りでした。

 

 

「とるだけ育休」って?

そもそも「とるだけ育休」というワードは、どういう経緯で生まれたのでしょうか。

「とるだけ育休」という問題を初めて指摘したのは、母親のためのQ&Aアプリ「ママリ」を開発・運営するコネヒトという会社でした。

男性育休が注目されるようになってきた2019年、コネヒトは夫が育休を取得した508名のママにアンケート調査を行い、「とるだけ育休」を可視化しました。

その結果、育休中の夫の家事・育児時間は、2時間以下が32.3%と、3人に1人が1日2時間以下しか、家事・育児に参加していなかったことが分かったのです。

「とるだけ育休」を防ぐには?|データを読み解いて有意義な男性育休を!

出典:コネヒト株式会社「夫が育休を取得した508名のママ調査から見えた「とるだけ育休」の実態と育休の「7つの法則」

 

原因としては、勤務先から育休取得を勧められるがままに取った夫に、親としての当事者意識がなく、家事・育児への取り組みの意欲も低かったことが挙げられています。

 

 

夫に育休を取ってほしいと思えない妻たち

また、夫が育休を取っていない妻に「夫に育休を取得してほしいか」という質問に対しては、「してほしい」意見と「してほしくない」という意見が、半々に割れています。

「とるだけ育休」を防ぐには?|データを読み解いて有意義な男性育休を!

出典:コネヒト株式会社「夫が育休を取得した508名のママ調査から見えた「とるだけ育休」の実態と育休の「7つの法則」

 

「夫に育休を取得してほしくない」層の妻たちは、夫への期待がないのです。

つまり「家事をやってくれるかも」「一緒に赤ちゃんの育児をしたい」とすら思えない。「「とるだけ育休」になるくらいなら、1人で乗り越えた方がマシ」と、最初からあきらめている。

これはどれだけ悲しいことでしょう。

あれだけ大変だといわれる新生児の育児を「1人でやろう」と、パートナーに思わせてしまい、ひと匙の期待さえされない。

私なら「期待すらさせてくれない人と、夫婦でいる意味はあるんだろうか?いやない」と、早々に離婚への道を歩み出してしまいそうです。

「そんなことでいいの!?」「これからの夫婦関係、家族の在り方、どう考えてるの!??」と、期待されない夫たち1人ひとりに問いただしたいくらいです。

 

 

夫の育休には意義がある!質の高い育休を過ごす7つの法則

でも。逆を考えれば簡単なことです。

ただ単に、夫が「とるだけ育休」をしなければいい話なのです。

 

夫の育休が有意義だと、妻の身体・心理的負担や孤立感が減るというデータがあります。

「とるだけ育休」を防ぐには?|データを読み解いて有意義な男性育休を!

出典:コネヒト株式会社「夫が育休を取得した508名のママ調査から見えた「とるだけ育休」の実態と育休の「7つの法則」

 

また、コネヒトでは「育休の満足理由や不満理由についての自由記述を、類似した要素で分類集計」し、「育休の質を高める育休の過ごし方7つの法則」を発表しています。

「とるだけ育休」を防ぐには?|データを読み解いて有意義な男性育休を!

出典:コネヒト株式会社「【産後パパ育休開始前】とるだけ育休を防ぐ7つの法則を公開

私はこれを見て、とても具体的で、分かりやすいルールだと思いました。

より具体的にいうと…

①     家事・育児の量的な担当

家事・育児の分担の仕方は夫婦によるが、夫婦で納得できる形でシェアする。最初に話し合うのも◎

②     家族との時間を楽しむ

家族と過ごす時間の長さに加え、夫婦や親子間の関係性がどうか。愛情を持って接しているか。

③     精神的に支える

産後の心身の状態を理解し、寄り添う。

家事や育児の大変さを共有する。

④     主体的な姿勢

家事・育児に当事者意識を持ち、積極的に参加する。

⑤     睡眠・休息をとらせる

睡眠時間や1人で過ごす自由時間を、妻に確保させる。

⑥     必要なスキルの習得

主体的な家事・育児への参加で、スキルを上げる。

⑦     十分な期間の育休取得

1ヵ月程度ではほとんど意味がない。少なくとも数カ月の取得期間を、夫婦で話し合って決める。

 

こういったところでしょうか。

実際に育休に入る前に、この7つの法則を夫婦で共有し、心身ともに準備を始めておく。

そうすれば、いざ子どもが生まれたときに、戸惑ったり、あきらめたり、夫婦で衝突したりする、ネガティブな場面が減り、「取るだけ育休」を防げるのではないでしょうか。

 

 

【参考】

積水ハウス「男性育休白書2025

Connehito株式会社「夫が育休を取得した508名のママ調査から見えた「とるだけ育休」の実態と育休の「7つの法則」ー男性育休義務化の流れの中、「育休の質」に焦点ー

コネヒト株式会社「【産後パパ育休開始前】とるだけ育休を防ぐ7つの法則を公開

withnews「反響集めた「とるだけ育休」、名付け親が本当に伝えたかったこと

withwork Magazine 「男性の「とるだけ育休」なぜ起こる?夫婦双方にもたらす影響と回避するためのポイント

 

『ジェンダーで読み解く男性の働き方・暮らし方 ワーク・ライフ・バランスと持続可能な社会の発展のために』多賀 太/著 時事通信出版局 2022.3

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