マムシェイミングが女性たちを追い詰める…何をやっても文句を言われるのはなぜ?

マムシェイミングが女性たちを追い詰める…何をやっても文句を言われるのはなぜ?

マムシェイミングが女性たちを追い詰める…何をやっても文句を言われるのはなぜ?

フリーライターの小林なつめです。

 

「マムシェイミング」を知っていますか?

マムシェイミングというのは、母親に恥や罪悪感を抱かせる攻撃(マイクロアグレッション)のことだ。

この言葉を知ったとき、私はこれまで妊娠中から、育児中の現在まで、心に重くのしかかっていたモノの正体が、わかったような気がした。

マイクロアグレッション(小さな攻撃)については、以前「「マイクロアグレッション」が潜む日本社会…国民的アニメにも?」でくわしく紹介した通り、「日常的に繰り返される、マイノリティへの差別的言動」を意味する。

「まだ母乳?」母親に恥を感じさせるマムシェイミングとは#2」の筆者、内田舞氏は「発した側が相手を傷つける意図がなくても、受け手側が傷ついてしまう言動」と言い換えている。

マイクロアグレッションって何?(動画)と、気を遣ってくれてた友人の話」で紹介されている動画からも、それがいかに日常に潜む行為か、お分かりいただけるだろう。

マイクロアグレッションの1ジャンルが、母親への攻撃「マムシェイミング」だ。

 

母親に向けられる厳しい視線と攻撃

その最たるものとして、前述の内田氏は無痛分娩や授乳、自身の経験した、ワクチン接種などへの批判を挙げている。

乳幼児の育児を担う多くの母親は、子どもに関する途方もない数の選択をしなければならない。1つひとつの判断に「親としての責任」が伴い、重いプレッシャーがのしかかる。

無数の選択を重ねなければならないだけでも苦痛なのに、さらに母親はその判断すら責められる。無痛分娩を選べば「痛みを感じないと母親になれない」、ミルクを選べば「母乳じゃないと愛情が足りない」など…。

さらにマムシェイミングは、子どもの年齢が上がっても終わらない。

保育園に子どもを預けて働けば「可哀想」、子どものためを思って専業主婦になれば「ごくつぶし」…そもそも女性は、生き方に口を挟まれることが多すぎるのだ。

 

私たち女性は、何を目指して生きればいいのか

女性は結婚しなければ、子どもを持たなければ、子どもは2人以上産まなければ、育児と仕事を完璧に両立をせねば…。

世間の女性への要求は、尽きることがない。「理想的な女性・母親像」にはまらない限り、私たちは攻撃を受け続けなければならないのだろうか。

私自身は、20代前半で結婚し、働きながら2人の兄弟を育てているが、彼らを連れて道を歩いていて、世間話などすると、必ず「次は女の子」と言われる。どんなに「世間の理想」に近づいたところで、意味がないのだなと、鼻白むこともしばしばだ。

 

結局、この根底にあるのも、根強い女性差別なのだ。

前述の内田氏のように、このような差別を回避するために、海外に出ていく女性は増えている。海外で生きていく力のある優秀な女性ほど、その傾向があるだろう。

今や女性への攻撃が、女性を萎縮させる時代ではないのだ。だからこそ、この国では、女性差別の解消が早急に必要だろう。

 

【参考】
【内田舞】「まだ母乳?」母親に恥を感じさせるマムシェイミングとは#2|子育て情報メディア「KIDSNA STYLE」

 

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