「◯◯女子」の流行は歓迎されるべきものなのか?思わぬ効果アリ?

「◯◯女子」の流行は歓迎されるべきものなのか?思わぬ効果アリ?

「◯◯女子」の流行は歓迎されるべきものなのか?思わぬ効果アリ?|リアンブルーコーチング舎

フリーライターの小林なつめです。

「◯◯女子」という表現がある。先駆けは2009年に流行語にノミネートされた「草食男子」の対となる、「肉食女子」ではないかと言われている。同じ年の流行語には「歴女」が、さらに翌年には「山ガール」がノミネート。さらに「リケジョ」という言葉も使われ始めた。最近ではドラマ化で一気に知名度を高めた「ソロ活女子」が人気だ。

なぜわざわざ「◯◯女子」とカテゴライズするかというと、◯◯と女子のそぐわなさ、意外性を強調するためだろう。「普通の女子は◯◯を好まない、◯◯は普通、男性が好むもの」という固定観念が、そこにはある。男性側からすると「俺たち男の世界に女が入ってきた」という感じかもしれない。つまり「◯◯女子」という表現は、その属性の男性がマジョリティであるのに対して、マイノリティという立ち位置にあることの表明でもあるのだ。

この言葉自体が性差別的だとする向きもあるだろう。それはもちろんその通りだと思う。歴史も登山も理系もソロ活も、別に男性のためだけにあるものではない。女性が好んだり志したりしても、本来全く問題ないはずだ。それを殊更に取り沙汰する行為は、「本来それは男性のもので、女性のものではない」という主張すら感じさせる。これは偏見に他ならないし、そのように考えて、違和感や嫌悪感を覚える女性がいて当然だ。

 

しかし、一方で、これらの呼び名は単なるマーケティングの一環でもある。例えば「山ガール」はその最たるものだ。山ガールは、カラフルでお洒落なアウトドアブランドの服やグッズを身につけて、登山やハイキングを楽しむ女性のこと。山ガールのブームが訪れた2009年、登山人口は前年と比較して倍増(約600万人→約1200万人)しており、その影響の程が窺える。

山ガールの増加により、女性向けのアウトドア用品は数もバリエーションも増え、「山スカ」(登山用のラップスカート)などの新商品も生まれた。これにより市場が拡大したことは言うまでもない。現在まで続くアウトドアファッションの流行にも、一役買っているだろう。

女性の方が男性よりも買い物好きで、購買意欲が旺盛だということはよく知られている。不景気であっても、女性の購買活動は男性よりも活発で、経済回復の一端は女性が担っているとも言われる。そういうわけで、消費者としての女性の取り込みは、あらゆる市場に共通した課題だ。「◯◯女子」のブームは、女性の消費活動に大きな影響を与えるため、広報のツールとして非常に有効だ。

さらに「◯◯女子」の存在は、女性たち自身の視野や行動範囲を広げる。「◯◯女子」の台頭により、知らなかった世界を知るきっかけになることはもちろん、呼び名がつくことで、世間的な認知(市民権)が得られる効果もある。これにより、少数派の趣味を持つ女性も、「◯◯女子」の名の下に、男性に気兼ねせずに行動できるようになる。この副産物としての効果は、女性にとってもありがたいものではないだろうか。

このように「◯◯女子」というカテゴライズは、女性への偏見でありながら、同時に女性の権利を主張したり、擁護したりするツールともなっている。しかし目指すべきは「◯◯女子」というネーミングを傘に着ずに、好きなものは好きだと言い、好きなように行動できる社会だ。このような社会が実現すれば、「◯◯女子」というカテゴリーは不要となるかもしれない。

 

【参考URL】
【ドラマ25】ソロ活女子のススメ | 主演 江口のりこ | テレビ東京
「ソロ活」って楽しい!女性のひとり時間におすすめの過ごし方 -セキララゼクシィ
◯◯女子というカテゴライズの怖さ。もう違和感はスルーしない | かがみよかがみ
「○○女子」「女子力」ブームはいつから始まった? キラキラ系とツッコミ系、二極化した女子の勢力図 | ダ・ヴィンチWeb
(2ページ目)「歴女」「仏女」「山ガール」 女性の趣味にはなぜ名前がつくのか – wezzy|ウェジー
山ガール vs 釣りガール ◯◯女子は市場を広げたのか | 2016年12月号 | 事業構想オンライン
「現代用語の基礎知識」選 ユーキャン 新語・流行語大賞
女性と流行語の45年史 アンノン族からリケジョまで|NIKKEI STYLE
うっかりハラスメントを回避!「山ガール」という言葉に潜む、ジェンダー問題とは? | 本 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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不況でも女性の購買意欲変わらず、男性は買い控え傾向 | ロイター

 

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