「現実は厳しい…」男性教員、育休取得の実態とは?

「現実は厳しい…」男性教員、育休取得の実態とは?

「現実は厳しい…」男性教員、育休取得の実態とは?

フリーライターの小林なつめです。

何度か書いた通り、私は昨年度から、小学校で司書として働いています。

 

学校の人事異動を経験して

同じ小学校で勤務2年目に入るにあたり、教員の人事異動に伴う、メンバーの大規模な入れ替わりを初めて経験し、新鮮な驚きを覚えました。

そもそも公務員は、一般企業よりも頻繁に異動が行われています。公立学校で働く教員も同様で、5年前後を目途に、別の学校などに異動するのが一般的です。

例えば20人の教員が働く学校の場合、その1/4にあたる5人が異動することなどは、珍しくもなく、一部分とはいえメンバーが入れ替わることで、先生方の人間関係や、職場である職員室の雰囲気は、ガラリと一変します。

少し立場の違う私から見ると、毎年選手が入れ替わり、チーム編成の変わる、プロ野球やサッカーチームのようなイメージです。

年度ごとにメンバーが変わる実態を目の当たりにして、私が思ったのは「この職場環境ならば、4~3月のきっかり1年間とすれば、男性も長期の育休が取りやすいのでは?」ということでした。

 

 

男性教員は1年の長期育休が取りやすい?

話は変わって、5月某日、私は「男性育休」についてのインタビューのため、生後4カ月の赤ちゃんを育てている友人夫婦の自宅を訪れました。

友人Tは、元々高校教員で、学習塾や放課後等デイサービスなど、教育分野でのキャリアがありますが、妊娠後に仕事を辞め、現在は専業主婦をしています。

彼女の夫Hさんは、今年で12年目になるという、現役の高校教員です。

インタビューで聞きたかったことの1つが「なぜ1年という長期の育休を取ることにしたのか」です。なぜなら、前述した私の予想が当たっている予感がしたからです。

果たして、Hさんの回答は、私の予想を裏付けるものでした。「仕事の内容的にも、職場としても、4~3月の1年度取得するのが、区切りが良かった」というのです。

さらに、彼の周りの教員も、1年間の育休を取る人が少なくないとのこと。

私は「やっぱり私が考えた通りだった」と、ホクホクして帰路につきました。最近は男性育休取得者も増えてきているし、教員も例外じゃないんだなと思ったのです。

子どもを相手に仕事をする教員。職業柄、子どもを幼少期から育てる経験には深い意義があります。男性育休を義務付けたっていいくらいでは!?とさえ考えたのです。

 

 

果たして男性教員の育休取得率は?

しかし、現実はそう単純ではありませんでした。

調べてみたところ、数社の新聞に「公立学校の男性教員の育休取得率は、男性地方公務員の半分に満たない」という、衝撃の記事を見つけてしまったのです。

男性地方公務員の育児休業取得率は、2023年度で47.6%と、全体の半分であることを考えると、男性教員の育休取得率は、対象者全体のおよそ2~3割程度ではないでしょうか。

思えば、深刻な教員不足が叫ばれて久しい昨今。私の働く自治体でも、新年度になると「今年、あそこの小学校は人員が〇人足りないらしい」というような話もよく聞きます。

そんな中、長期の育休なんて取れない、考えることすら許されないという現場や状況があるのも当たり前でしょう。

男性教員の育休取得についての実態を調べたからこそ、1年という長期育休を取得しようと考え、行動し、実現したHさん他先生方の、並外れた勇気と実行力を思い知らされました。

 

 

【参考】

■ 朝日新聞「育休取得は「ぜいたくだ」 男性は教員仲間に言われた、消えない懸念

■ 毎日新聞「男性教員の育休取得率、なぜ低迷? 公務員の半分にとどまる事情

■ 読売新聞「地方公務員の男性育休取得、23年度は過去最高の47・6%…長期取得は進まず

■ 教育新聞「【産休・育休と教員不足(上)】 取得する教員の「後ろめたさ」

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