こんにちは。多賀です。
前回書いた【研修録】OJTトレーナーに求められるスキルってこんなにあるの?! の中で書いた「組織社会化」について、書いてみます。
OJT研修において、「何を教えるのか?」を知っておくのは大事なポイントだと私は思っている。
意外と目に見えることだけ(形式知)を教え、目に見えないこと(暗黙知)を教え忘れてしまう点と、すべてのスキルを教えるよりも、自分の手から少し離れたときに、うまく立ち回れたり他の人に助けを求められるか、の点が大事であると考えているからである。
それをわかりやすくまとめて伝えてくれたのが、伊達洋駆(だて・ようく)氏の著書「人と組織の行動科学」。
組織社会化にはいろんな分野があり、いまだコレとまとまってはいないようだが、その一つ*について記載してくれたものを、私なりにまとめてみた。
たいていは、左上の「仕事能力の獲得」にエネルギーを注いでしまうだろうが、「パワー関係の把握」や「独特な言葉の習得」は欠かせない。
こういう一覧があるだけで、仕事を習得していく過程でそれぞれが相互に作用していることが理解できる。
仕事能力の獲得だけでは、組織に属している安心感も生まれない。そのことを意識して上げられれば、定着率にもいい影響があるのではないだろうか。
よくよく見ていくと、新入社員に限ったことではないことがわかる。
社会経験が豊富な人でさえ、新しい団体や組織になじむためには、これらを知ることが大事だと、これまでの経験で無意識に知っているはずである。
【参考サイト・文献】
新人迎える職場 4つの働きかけが必要に|日経BizGate
*Chao, G. T., O’Leary-Kelly, A. M., Wolf, S., Klein, H. J., and Gardner, P. D. (1994). Organizational socialization: Its content and consequences. Journal of Applied Psychology, 79, 730-743.