コーチはセッション中に何を観ているのだろう?
この問いに私は、デザイナーやイラストレーターが描いているとき何を観ているのか?という問いと似ていると感じていた。
コーチの質問がクライアントさんを前に湧き上がってくるものだとしたら、描く方々は目の前にはない湧き上がってくるものを絵という形として表出させている。
私のパーソナルコーチングのメンターである林健太郎氏(リーダー育成家)は、
1回のパーソナルコーチングでクライアントさんに大きな気づきや行動変容を起こしてしまう、とんでもなく素晴らしいコーチである。
彼と話していて、私のコーチング人生に大きな影響を与える気づきがあったので、伝わるかどうかわからないがここで書き記しておきたい。
注意して頂きたいのは、林健太郎氏がそう言ったわけではなく、彼の視点ではない。
あくまでも私、多賀の視点である。
ただし「何言っているの?」「意味がわからん」という方も一定数いるだろうとは思っている。
それから、ここで書いたことが「正しいのか?」と言われたら、「正しいです」とは言い切れない。
何度も言うが、あくまでも一つの視点として捉えて頂ければ幸いだ。
(実際に他の素晴らしいコーチは、別の表現としてこれを表現してくれたので、別の機会に書いてみたい)
また、論文のように根拠があるものでもなく、散文のように記したい。
クライアントさんの視点に立つということは、
まさしくクライアントさんと一緒に仮想空間に立つということ。
クライアントさんが話し始めた時、
その思考の世界に降り立って、クライアントさんの斜め後ろに立つ。
どの部分が見えていて、どの部分が見えていないのか?
何を思い描きながら喋っているのか?
何を感じながら話しているのか?
どっちの方向に行こうとしているのか?
見ていない、逆側には何があるのか?
などを疑似体験することである。
コーチはそれをしながら、クライアントさんの話し方のパターンや思考のパターンなども拾いとっている。
クライアントさんの思考が走り始めたらコーチは頑張ってそこに追いつく。
それでも振り切られたら戻ってくるのをを待って、何か起こったのか?
どこまで行ってきたのか話してもらう。
例えば、クライアントさんが一歩も進めることができなければ、
それを一歩(人によってその一歩の幅は違う!)進めるために
何が引っかかっているのか?地面を掘り始める。
もしくは見えない壁の正体を一緒に探る。
そうしてクライアントさんが得たい価値観、毎日体現したい価値観、毎日積み重ねる価値観、毎日味わう価値観を見つけ、現実の世界で大事に持ち続けていたり、さっと出したり、確認できるようにするのだ。
さて、そろそろ私も現実の世界に戻ろう。