【本レビュー】いつも「いい人間関係」の人がやっている「否定しない習慣」:林健太郎著

【本レビュー】いつも「いい人間関係」の人がやっている「否定しない習慣」:林健太郎著

【本レビュー】いつも「いい人間関係」の人がやっている「否定しない習慣」:林健太郎著【本レビュー】いつも「いい人間関係」の人がやっている「否定しない習慣」:林健太郎著

誰でも自分の意見や考えを否定されるのは嫌なものだ。
頭ではわかっているのに、ついついやってしまうのは、世の中が「正誤」をいち早く決めながら、出来るだけコスパよく進めることを優先してきたからかもしれない。

だから私たちはそれ以外の対応や言葉をあまり持ち合わせていない。
仮にバッチリ持っていたとして、使った後がどうなってしまうのか未知数だったり、結論にいくまでに時間がかかったり、自分の意見を否定されたまま終わったりする可能性があれば、使うことをためらうだろう。

この本はそういった意味で、ある意味タブー?!触れられない領域に切り込んだ本だと思う。
林健太郎氏は、私の師匠でありビジネスパートナーに名前を連ねさせて頂いているが、ながい年月、ほんとにながーい年月のほとんどを「会話を観察する」「会話を分解する」「会話を研究する」ことに費やしてきた。

つまり根っからの「会話のプロフェッショナル」である。
その能力と経験を活かし、名だたる経営者に信頼されコーチングを依頼されてきた。

実際に彼のコーチングを受けるとわかるが、「こんなに気持ちよく話させてもらいながらも、見なければいけないところを、恐れを抱かずに目を向けさせることができるのか」と不思議な感覚になる。

私もこのスキルを多少なりとも身につけることによって、クライアントさんとの信頼関係が早く出来上がり、成果も早く手に入れている。クライアントさんも私との会話を待ち遠しく感じてくれている。

コーチングをやっている方はもちろんだが、多くの方の会話に一つの武器?!として持っていたら、人生はもっと豊かになるのではないかと思う。

【本レビュー】いつも「いい人間関係」の人がやっている「否定しない習慣」:林健太郎著

以下、私の備忘録として抜粋を載せておく。

本書で述べている「否定」は、よく言われる「でも」「だって」といった否定言葉だけをつかうことだけではありません。

本書で指摘している「否定」
・相手の言葉や考え、行動の結果を認めない
・相手の話や意見を打ち消す、聞かない、奪って違う話をする
・相手のミス・失敗を責める
・悩みの相談などに対して真剣に向き合わない

 

多くの人が無意識のうちについ、否定をしてしまっています。いわば「無意識の否定の習慣」とでもいうべきもの。

 

「実現するかわからない夢からは、早く目覚めさせた方がいい」という無意識の「親心」

”良かれと思って”行うもの。

 

「否定していない」と言う人は、いつも無自覚

・相手が話している途中でさえぎって、話し出してしまう
・相手が意見を述べた時に、「それもいいけどさ」と自分の意見を言ってしまう
・相手の話を聞くとき、目を合わせないで、別のことをしながら聞いている

↑ここまでが初級編。コーチングスクールでも基本として習う部分だろう。

日本人は否定慣れしていない?

「自分は好まないけど、そういうやり方や考え方もあるよね」と「相手の考えを一つの意見として受け取る」という文化が欧米にはあるのです。

↑これまで同質の中で成長してきた日本からすると、ここからがキモ。
多様性が謳われる中で、一つの意見として受取るのが苦手。受取る=同意だと感じてしまうことが多いのだ。
なので、逆に自分の意見は否定されている感じもしてしまう。

そして面倒くさい。それで意見が違えば、「拒否はしないけど話し合わなければ大丈夫」「表面的に受け取った感じを出しておけば、難を逃れられるから、敢えてそんな面倒くさいことはしないでいよう」としてしまうのだ。

そのために考え方から見直してみよう。

否定しない3つの基本の考え方

1.「事実だから否定してもいい」という思考はしない⇒「事実を伝えているだけ」が一番危ない

2.「自分は正しい」という思考はしない⇒意見の違いは否定せずに、目的を共有する

3.「過剰な期待」はしない⇒「その人なりに精一杯やっている」という魔法の言葉

↓お笑いの芸人さんが使使っている話し方にはたくさんのいい会話のヒントがある。そのことを教えてくれたのも師匠の林健太郎氏。

「ぺこぱ」に学ぶ「否定しないマインド」

「どこ見て運転してんだよ!と言える時点で無事でよかった」
「知らない、んだったら教えてあげよう」

・・・

余談になるが、お笑いの芸人さんに限らず、あらゆる話すプロは間やタイミング、スピードや力強さをコントロールしているから、コーチを目指している方は取り入れたいところ。

 

否定に感じさせない伝え方3選

1.面白おかしくする
2.逃げ道を残す
3.期待をほのめかす

本書の最後には、否定しないために日頃から何を意識してやったらよいのか書かれている。

否定せずに、お互いを尊重し合えたら最高である。

1on1・コーチングスキルカテゴリの最新記事