
フリーライターの小林なつめです。
昨年2024年の流行語大賞が「ふてほど」だったのに引き続き、今年はなんと「働いて働いて働いて働いて働いてまいります/女性首相」が選ばれました…!
日本に女性首相が生まれたのは初めてなので、「女性首相」の方にはまだ納得できますが、働き方改革半ばの現状で「働いて働いて…」とは、正直いただけません。
もちろん首相自身が自分の意思で働きまくるのは自由だけれど、首相という立場の発言は、社会に大きな影響を与えるからです。
そもそも「働き方改革」は、「24時間働けますか」(1989年流行語大賞で銅賞受賞)のキャッチコピー通り、バブル期の長時間労働に端を発しています。
1991年のバブル崩壊後には、多くの企業がリストラなどの人員削減に踏み切り、結果としてさらなる過重労働が人々を追い詰め、過労死の問題が表面化しました。
また、出生率の低下、労働力の減少という課題も踏まえ、1人当たりの負担を減らし、働き方の多様化を目指すために「働き方改革」が設けられたのです。
その経緯をまるっと無視(軽視)して、首相に選出された直後に「働いて働いて…」とは。正直、勘弁してくれ…という感じでした。
そんな波乱含みの2025年年末。
なんとあの、きかんしゃトーマスのX公式ポストが、注目を集めていました。
それが、このポストです。
今年も働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいりました#大晦日 #thomasandfriends #きかんしゃトーマス #OVERWORKトーマス #社会人 pic.twitter.com/c2f7WMFVFq
— きかんしゃトーマス【公式】 (@ThomasNo1_JP) December 31, 2025
「今年も働いて、働いて、働いて、働いて、働いてまいりました」という本文に、「#OVERWORKトーマス #社会人」などのタグが付けられています。貼られた画像は、トーマスが石炭に埋もれ、怒った顔をしているもの。
私はすぐにこれが「働いて働いて…」の流行語への風刺だと思いました。
このポストに付けられた#OVERWORKトーマスというタグには、「勤労は週4日くらいがちょうど良い」とか「有給は年5日以上取らなきゃって伝えなきゃ」というポストもあり、オーバーワークを皮肉って「働き方改革」を目指していることが分かるからです。
また、年始にはこのようなポストも話題になっていました。
「身内ごとで申し訳ないが、この番組のスタッフは、お正月を家族と迎えたり故郷へ帰ることも出来ませんので、せめてご親族の皆さんに元気で頑張っていることを伝えさせていただきたい」として正月特番の制作スタッフの名前と出身地を番組の最後で流す安住アナの気配り。働き方改革の時代の姿だなあと。 pic.twitter.com/zVfHJUg8ew
— lonely-bluesky (@UN_14760) December 31, 2025
こちらは、年末年始も働くTV番組のスタッフが、家族と過ごしたり、故郷で過ごしたりできないことに配慮し、制作スタッフの名前と出身地を番組のエンドロールで流した、安住紳一郎アナウンサーの気遣いを「働き方改革の時代の姿」と評したものです。
安住アナは、自身のラジオ番組でも、同じような配慮をしていて、番組内でスタッフの名前をできるだけ紹介しているそうです。
そう、「働き方改革」がどんなに進んでも、今の社会には、多くの人が休んでいる時間や時期にも、働いてくれている誰か(エッセンシャルワーカー)が必ずいます。
「働きすぎ」の異名を取るほどの安住アナ、働きすぎなのは心配ですが、「働き方改革の芯」のようなものを理解し、体現する力を持っているのだなあと感銘を受けました。
【参考】
自由国民社「「現代用語の基礎知識」選 T&D保険グループ 新語・流行語大賞」
NTT東日本「働き方改革がどのような経緯で成立したかを解説 | BizDrive(ビズドライブ)」
Chatwork「働き方改革が始まったきっかけは?内容や実施のメリットとともに解説」
厚生労働省「「働き方改革」の実現に向けて」