フリーライターの小林なつめです。
【目次】 ●フェミニズムとアイドルは相容れない? |
以前の記事「シスターフッドな関係性が魅力のアイドル「アンジュルム」」で紹介したこともある通り、私は女性アイドルが好きです。
でも、それを公言するのには、ためらいがあります。
なぜなら、アイドルはルッキズム(外見重視主義)の象徴のような存在だからです。
アイドルのファンでいることは、間接的にルッキズムを支持することにつながるため、アイドルを消費・搾取する構造に加担することになるという危惧を覚えています。
このことで私は、ずっと自分の中に明確な答えを持てずにいました。
そんな私の思いを映したような「No No Girls」(以下ノノガ)というガールズグループのオーディションが、2024年10月に始まりました。
ノノガのプロジェクトを始めたのは、BMSGという音楽プロダクション。
BMSGにはこれまで女性グループがなかったため、「女性であるだけでBMSGと契約できない状態」が続いていたといいます。
ノノガは、この状況を終わらせるきっかけとして始められたオーディションです。
この経緯を知って、私は「女子大」の試験みたいだなと感じました。(くわしくは「「男女平等」な現代における女子大の存在意義とは?」を参照してください。)
さて、ノノガは「身長・体重・年齢不問」という、前代未聞のオーディション。ルッキズムにNOを突き付け、ボディポジティブの新たな可能性を感じさせてくれています。
プロデューサーのちゃんみなによるテーマソング「NG」の歌詞にも、ルッキズムへの批判が明確に記されています。
No, no, no, うるさくない? どっちにしろ触れないくせに 見て見てみて、かわいいね 細すぎる、太すぎる デカすぎる、チビすぎる 死ぬ 死ぬ 死ぬ、女が死ぬ |
ちゃんみなは、「Noと言われてきた人や、自分にNoと言い続けてきた人を救いたい」と語り、オーディションの間も、相手を否定する言葉は一切口にしません。
オーディションなので当然、途中で脱落者が出ます。しかしちゃんみなは、「ノノガで脱落するということは、ここ以外にふさわしい場所があるからこそ」だと言います。
脱落という「No」は、実際には「No」ではなく「Yes」なのだと考えて、この先の糧としてやっていってほしいというのです。
オーディション参加者はもちろん、視聴者にまでも優しく寄り添い、伴走してくれるノノガ。参加者たちの行く末と、ガールズグループ(アイドル)の将来が、楽しみでなりません。
【参考】
https://gendai.media/articles/-/100181?imp=0
https://note.com/sachatarou/n/n194971995f36
https://nonogirls.audition-bmsg.tokyo/
https://mi-mollet.com/articles/-/50869
https://mi-mollet.com/articles/-/51389
https://www.elle.com/jp/culture/music-art-book/a61706434/chanel-chanmina-interview-240815/