フリーライターの小林なつめです。
私は普段、小学校で司書として働いていて、副業としてライターの仕事もしています。
ライターの仕事は、本業や家事育児をしていない、自分の自由時間に行うので、仕事を取り過ぎたときには、睡眠時間を削って、作業時間にあてます。
ときには、夜9時から子どもたちの寝かしつけとともに寝落ちて、5時間後の2時に起き、4時間ライター仕事をしてから、そのまま出勤することもあります。
このようなスケジュールが毎日続き、忙しく仕事をしていると「私は一体何をしているんだろう」「何のために働いているのか」という疑問が首をもたげることも、しばしばあります。
私の24時間は仕事と育児と家事でいっぱいいっぱいで、全くゆとりがないのです。
しかし私はそれでも働きたい。それは、基本的に仕事が好き、稼ぐことが好きというのも大きいのですが、お金を自由に使いたいというのも、大きな理由の一つです。
自由な時間を減らしてでも、経済力が欲しいのです。
これは私に限った話ではありません。ママ友と話をしていても、ある程度手が離れてきている小学生の母親は、すでに働いているか、働きたいと考えている人が多いようです。
実際、2023年の調査では、過去最多の77.8%…約8割の母親が働いていることが明らかになっています。
出典:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」
収入が増えると、生活を安定させられ、安心感が持てます。さらに、自分は経済的に自立していると感じられ、自己肯定感も上がります。
母親が経済的にも精神的にも安定することは、家庭の雰囲気を良くし、育児にもいい影響を及ぼすのではないでしょうか。
『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』では、「女性が金を稼ぐこと」について、以下のように書かれていました。
「金の力って、自信と直結してる気がする…夫と対決できるアイテムみたいな」
「金って社会的評価が目に見えるものなのよね」
パートナーである夫と、立場や関係性を対等にするには、まず「夫と同じくらいの経済力」が欲しいところです。
私も、家事・育児に専念すると、仕事を奪われるかもという恐怖心が、常にあります。
社会的に認められたい気持ちも、社会的動物として当たり前に持っているものです。仕事をしていれば、家庭以外の社会的な場所に、自分の居場所を確保できます。
「女として」すなわち、妻や母として、ではなく「人間として」生きたいという欲求が、私たちを労働の道へと突き動かしているのかもしれません。
参考:
■ 母親が仕事をする事で子どもに与える影響〜3歳児神話を科学的に検証する〜 | ふらいと先生のニュースレター
■『上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!』上野 千鶴子/著 大和書房 2020.1